「観に行った」というよりも、むしろ「お会いしてきた」という感じが近いです。仏さまというよりも、近所のおじさんやおばちゃんのよう。初めて会うのに初めて会った気がしない。そんな妙な親しみやすさがありました。なかなか地元を離れる機会のない魅力的な民間仏さまだけに、まとめてお会いできる貴重な機会ではあると思うのですが、こんなにたくさんお越しいただいて、地元の方々には大丈夫だったのかなぁと心配になるほどです。
素朴で拙い造形の仏さまたちが、なぜこんなに温かく可愛らしく、そして切ないのでしょうか。厳しい生活を送った名もない人々や仏師たちの、癒されたいという祈りの結晶なのでしょうか?それは、彼らが抱く願いや想いが、彼らの作品に込められているからかもしれません。
東京駅の大きく立派な建物に心躍り、たくさんの仲間にもびっくりしているかもしれない仏さま。閉館後は、みなさんでおしゃべりしそうなイメージを勝手に想像しました。